法人設立後に必要な税務署への届出書

法人設立後に必要な税務署への届出書
完全ガイド|期限と優先度をまとめて解説

皆さん、こんにちは。
日本橋生まれ日本橋育ち、江戸っ子税理士の岩上です。

会社設立後、意外と見落としがちなのが税務署への届出です。提出漏れや期限超過はペナルティや節税機会の損失につながります。絶対に必要なもの・状況に応じて必要なものを整理しました。

法人(株式会社・合同会社など)を設立したら、登記が完了して終わりではありません。税務署をはじめ、都道府県税事務所・市区町村役場への届出が必要です。なかでも税務署への届出は期限が短く、提出しないと後から申告・節税に影響が出るものもあります。
この記事では「絶対に必要な届出」と「状況次第で必要な届出」に分けて、それぞれの提出期限とポイントをわかりやすく解説します。。

絶対に提出が必要な届出書

① 法人設立届出書(設立登記の日から2カ月以内)
法人を設立したことを税務署に通知するための基本的な届出です。法人名・所在地・事業目的・事業年度・代表者などを記載します。定款のコピーの添付が求められることが多いです
※都道府県税事務所・市区町村への「法人設立届」も同様に必要です。セットで準備しましょう。
 都道府県・市区町村への届出には謄本のコピーも併せて求められることが多いです。

② 青色申告の承認申請書(設立後3ヶ月以内 or 最初の事業年度終了日のいずれか早い日まで)
青色申告を選択することで、多くの節税メリットが受けられます。原則として設立直後に提出すべき最重要書類のひとつです。青色申告を選択することで受けられるメリットは以下のようなものがあります。
・欠損金の繰越控除
 事業年度に生じた欠損金を最大10年間繰越すことができます。
 将来の利益と相殺することができるものになりますのでメリットの大きいものになります。
・減価償却資産の特例
 取得価額30万円未満の減価償却資産を一定の要件のもと一括で経費に計上できるものです(年間300万円まで)。
・繰戻しによる法人税の還付
 欠損金を前年の黒字と相殺することで、過去に支払った法人税を還付してもらう制度です。

※青色申告の承認申請書については提出しないと白色申告になり、各種特例が一切使えなくなります。
 設立後最優先で提出すべきものといえます。

③ 給与支払事務所等の開設届出書(従業員を雇用する事務所を開設した日から1か月以内)
役員報酬や従業員給与を支払う場合は、源泉徴収義務が発生します。この届出を提出することで源泉所得税の納付書が送付されます。給与の支払開始日(役員報酬の初回支払日)から1ヶ月以内が期限です

※この届出と同時に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用されます。)」も提出すると、半年に一度まとめて納付できるため事務負担が軽減されます(給与の支給人員が常時10人未満の場合に限ります)。

必要に応じて提出する届出書

消費税関係

① 消費税課税事業者選択届出書(適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで。事業を開始した課税期間についてはその課税期間中)
法人設立後2期は原則として消費税が免税されます。ただし、設備投資が多い事業者は課税事業者を選択することで還付を受けられる場合があります。輸出業や開業初年度に多額の設備投資をする場合は検討が必要です。
※一度課税事業者を選択すると2年間は変更できません。じっくり検討した上で選択をしましょう。

② 消費税簡易課税制度選択届出書(適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで。事業を開始した課税期間についてはその課税期間中)
売上高5,000万円以下の事業者が選択可能。仕入れにかかる消費税を実際の額ではなく、みなし仕入率で計算できる制度です。業種によっては有利になる一方、課税仕入が多い業種には不利になることもあります。
簡易課税は一度選択すると2年間は原則課税に戻すことができませんので選択する際は注意が必要です。

③ 消費税課税期間特例選択届出書(特例を受ける課税期間の開始前)
消費税の課税期間を1年から3ヶ月または1ヶ月単位に短縮できる届出です。還付申告が見込まれる場合に早期還付を受けるために活用されます。

減価償却・棚卸資産関係

減価償却資産の償却方法の届出書(最初の確定申告期限まで等)
法人が固定資産の減価償却に法定償却う方法と違う方法を採用する場合に提出します。
器具備品などに「定額法」を採用したい場合などに提出が必要になります。

棚卸資産の評価方法の届出書(最初の確定申告期限まで)
商品・製品・仕掛品などの棚卸資産について、原価法(個別法・先入先出法・総平均法・移動平均法・最終仕入原価法・売価還元法)のいずれかを選択する届出です。届出がない場合は「最終仕入原価法」が適用されます。

有価証券の評価方法の届出書(最初の確定申告期限まで等)
株式等の有価証券を保有する場合に、評価方法(移動平均法または総平均法)を選択するための届出です。株式投資や関連会社への出資がある場合に必要です。

まとめ

現在はマネーフォワードやFreeeなどを活用しご自分で会社設立手続きを進める方も増えてきていると思います。
しかし、その後の届出等を忘れてしまうといろいろな節税・手続き上のメリットを受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。
特に青色申告申請届出書は提出を忘れてしまうと欠損金の繰り越しができなくなってしまうなどのデメリットが大きくなってしまいます。

お問い合わせはこちらへ|いわかみ税理士事務所

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